先日行ってきた北海道開拓の村から。
しばらく見に行っていなかったら、こんな面白い空間を持った建物が建てられていました。
大正末期、1924年建築で、昭和の半ば、1958年まで写真館として
岩見沢市で使われていたという兼用住宅。
写真スタジオや絵のアトリエとかは、大量のたっぷりと安定した太陽光を求めます。
写真左側は内部の様子ですが、
たぶん、北側に面した屋根を全面ガラス張りにして、
太陽光を室内に取り入れる設計にしています。
日光の変化があまり大きくないのは北側からの光。
南側からの光は強烈すぎるものなのです。
いまでこそ、こういう空間を作ったとしても、温熱環境を犠牲にしないで済むことが
可能にはなっていますが、この当時はそうではなかったでしょう。
しかも、建てられていた岩見沢市は有数の積雪地帯。
屋根はここまで壁に近い急傾斜なので、積雪はしなかったでしょうが、
室内から奪われる熱が雪を溶かし、夜になれば
その水分が結氷して、巨大な氷柱を形成したのでは、と推測されます。
その氷柱の重みを受けたのは、ガラス面でしょうから
いろいろな不具合が発生したことは明白。
はたしてまともに、冬期間、スタジオとして機能させられたのかどうか、
取材は出来ませんが、想像するにあまりある大胆な設計。
まぁ、商業目的ですから、建築的困難は織り込み済みではあっただろうと思われますね。
こういう採光の仕方は、シングル・スラントと呼ばれるそうで、
写真スタジオ建築としては、良く試みられたものなのでしょう。
しかし、当時のみなさんはこういう空間を見て、驚かれたことだろうと思います。
商業目的とはいえ北海道で、こんな大空間を開放的なスペースにしてしまう、
荒唐無稽ぶりに、あっけに取られたに相違ありません。
ガラスは単板ものでしょうから、
いったいどのようにメンテナンスしてきたのか、
詳しく聞いてみたくなったような兼用住宅です。
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Posted on 7月 26th, 2007 by replanmin
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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