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AppleのOS壁紙という「場」

JOBSさんが亡くなってから、どうなるのかと思われたApple社、
CEOを継承したCookさんという人も、どうやらただ者ではないようですね。
あれだけのカリスマ指導者の後を受けて
それでも坦々と、日常的な積み重ねを実践してきて
その資産を確実に増やし続けている。
対AndroidOSとの戦いにおいて、アメリカ市場での重要な勝利を収め、
パソコンOS市場での対WindowsOSとの戦いとは違う局面を勝ち取っている。
本来であれば、Appleが提訴すべきだったのは、Googleなのだろうけれど、
国家間的なテーマにもからめられる韓国企業サムスンへの提訴という戦略は
まんまと最重要な市場であるアメリカ地裁での勝利という確実な果実を得た。
これはやはりWindowsとの裁判での敗北から
深い教訓を得た企業戦略の展開の結果だろう。
そしてこの、GoogleのAndroidOSの危機は
どうもWindows8の市場での伸びを後押しするだろうという
Appleにとって、皮肉な結果にも繋がると言われる。
AndroidOSをつぶすためならば、核攻撃も辞さないと言ったといわれる
JOBSさんの死してなお、の執念が実を結びそうだし、
それを確実に実現させた後継者・Cookさんの手腕もすごいと思う。
PCから始まった現代の技術市場での「三国志」
まだまだ、熱い戦いが続けられている。
いま、雌伏の時を強いられている日本の技術企業が、どのようにチャンスをつかむのか
あるいはこのまま、世界市場での立場を急速に落とし続けるのか
日本の企業家にこういう競争に参画する気概が、まだあるのか、
トロンという、アメリカによってPC用のOSとしては窒息させられた
国産OSのことは、まだ忘れてはならないと思う。

考えてみれば、SONYはAppleを買収できるチャンスはあったのだろうけれど、
しかしたぶん、買収しても今日のAppleのような輝きは決してありえなかっただろう。
国家戦略もからんで、技術の世界はものすごい暗闘の世界であることは疑いない。
結局、日本企業はアンタッチャブルな世界には
踏み込んでいくことは危険だし、許されてもいない。
そうではない枠組みの中で、戦後の日本企業は戦ってきているのだろう。
そうしたなかで、できることだけで戦い続けていく知力こそが
日本の最大の活力源だけれど、
TPPなど、新たな困難要因も多い。
ただ、戦後の世界はこうした日本企業の個別的な戦略が
いろいろに根底的な部分で、揺り動かし続けた歴史でもあると思う。

先日、そのAppleのMacintoshコンピュータ壁紙に採用された
北海道美瑛町の「青い池」を見てきました。
この池は火山噴火の火砕流を防ぐための堤防施設に
自然に湧水してできたものだそうで、
得も言われぬ色合いが、不思議な世界を作りだしている。
しかし、この池の写真が、OSの壁紙という世界標準の場で
まったく思わぬ形で、
命を得ていくということのほうが、不思議な世界の輪廻を感じさせる。
強者だけが生き残るのではなく、
結局、世界は循環していくものなのではないか。
戦いを継続していく資源・財産はまだまだどこにでも眠っている。
そんな思いを感じながら、見続けていました。

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