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地球のエネルギー収支

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きのうは東京芸大・千葉工大で教鞭を執る建築家・丸谷博男さん主宰の
「エコハウス研究会」の全国総会に取材参加してきました。
丸谷さんはOMソーラーの創始者・故奥村昭雄東京芸大教授のもとでの
中心的な研究生であり、自宅建設をこのプロジェクトの
実験住宅として提供した情熱系の建築家。
東日本大震災を契機として、OMソーラーの理念をさらに改良発展させた
「そらどまの家」の開発にいま、努力されています。
本来は東京芸大の建築の出自でありながら、
OMソーラーの理念に惹かれて、絵筆を設備工学的手法に変換して
「太陽のエネルギーで生活できる家」という目的に邁進されている。
こうした情熱あふれる姿勢が全国の建築家や工務店の支持を受け
いま、「エコハウス研究会」活動が活発に推進されています。
わたしどもとは、東日本大震災の復興支援活動を通して
発行した「東北の住まい再生」ボランティア情報誌で
この「そらどまの家」をご紹介したことが機縁での交流であります。
きのうはその「エコハウス研究会」の第2回全国総会。
朝1番10時スタートで、16:30まで丸1日の研究発表であります。

そのなかの発表者で東北工業大学の齋藤輝文教授の講演中で
触れられていたのが、表題のテーマであります。
そもそも論に触れるのは、やはり原点的な部分できわめて重要。
わたしもよく講演の機会があるときには、
いくつかの「そもそも」という基本論をお話ししますが、
一般人にも理念をわかりやすく伝えるには、
こういう部分が不可欠なのだと思います。
齋藤先生の講演では、まずはじめに地球温暖化に触れて
そもそも化石エネルギー燃焼によるものは、
地球全体へのエネルギー収支の中でどの程度の割合かと
問いかけられていました。
この答は、0.007%ということで、
全入力中の99.97%は太陽放射であることを説明されていました。
残りの0.03%についても地球それ自身に発する地熱エネルギーが
0.025%と大部分を占めているということ。
一方で「出力」側では、総量の3割が大気や雲、地表から
宇宙空間にそのまま反射される。
残りの7割のうちの51%が地表に吸収され、
大気に16%、雲に3%が吸収されているということ。

こういった巨視的な視点というのは、
どうしてもミクロの論議に振り回されやすい中で
大変貴重な発想の起点、気付きを与えてくれますね。
しばし、アタマのなかで反芻させながら
新鮮な血流感が得られていました(笑)。
まことにありがとうございました。
その他、たくさんの情報を受け止めさせていただいた次第ですが、
整理整頓してから、機会を見ながら情報発信したいと思います。

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