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復興提案住宅2 片付けしやすい家

19841983

また、きのうからの続きです。
っていうか、「復興提案住宅」って、いまの一般のユーザー心理に
けっこうフィットしていると思うのです。
復興住宅は基本的に「コンパクト」に作らねばならない。
これは、家事労働の時間節約型住宅への志向性の高まりという
広く待望されてきている流れとも共鳴している。
北海道で取材していて、平屋志向であるとか、
コンパクト住宅志向であるとか、
そういった、いわば生活合理主義が高まってきていると感じます。

とにかく、現代の家族はみな一様に「忙しい」。
主婦である女性はそのなかでももっとも時間が足りない。
とくに被災地の場合、若年労働力も不足していて
共働き率が高いように感じます。
子育てしながら、フルタイムで働くというのは、
非常にしんどいんだけれど、みんな明るくそんな状況に立ち向かっている。
夫もフルに家事労働をシェアしてがんばるのはもちろん、
その上でも、徹底的に家事労働時間を節約したい。
そういった生々しい現実の中で、自らもそうした立場であるという
女性建築家の栗本直美さんの提案にこころが動かされた。
コンセプトは明解、「片付けしやすい家」。
まったくそうです、その通り。
実はわたし自身も、共働きで家事をシェアしながら、
子育てと仕事、両方に立ち向かってきた思いが強いので
そんな提案を聞いたとき、無性に応援したくなってきた次第であります。
でもそれは、今の時代のひとたちの、とくに子育て世代の
共通する思いであることも明白なのです。
本来日本の家、家族のライフスタイルとしては
嫁というのは貴重な労働力であって、子育て労働は
老親がかなりの部分をシェアしてきたのに対して、現代では
個人主義が行き着くところまでいって、
核家族という生活スタイルはたぶん、維持する方向に行く可能性の方が高い。
そうなると、当面は「家事労働時間削減型」の家づくりが
大きなテーマになって行くのではないか。
みんなで考えていかなければならないテーマだと思う次第です。

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