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朝日に赤く燃える山

1915

すっかり日の出も遅くなってきて
散歩道も様相が変化してきますが、
この時期には、周辺の山に朝日がみごとに照り映えて
天気のよい日には、ごらんのような「赤富士」現象が見られます。
葛飾北斎の「赤富士」に、
こんな光景が本当にあり得るのか、と思っていたのですが、
あれがリアリズムであることを、はじめて知った次第(笑)。
いや、人間死ぬまで新しく知ることが多いのですね。
日本の建築工学を代表されて天皇陛下にご進講される立場の
日本学士院会員としての東大名誉教授・内田祥哉先生から
「建築の世界でも、まだまだ、わからないことばかりなんですよ」
と言われ、その率直な姿勢に驚かされたことがあります。
その後、日本建築学会の発表会を
一会員として聴講されている先生の姿を発見して
なるほどと思い知らされたことがあります。
顧みて凡百の身には、齢60を超えても、それこそ日々新たな知見ばかり。
まことに、不勉強・不明を恥じらされる次第ですが
こんな身の回りにすらも、生まれてはじめて知る美しさがある。
前回、ふと気付いて「山が燃えている」と思ったのは
全山が紅葉して、そこに朝日の照り返しが見えたのですが、
それから半月ほど経って、
ほぼ山の木々から葉が落ちても、
こんなふうに、むしろ深い赤みが照り返してくるのですね。

この時期まで散歩を続けられるようになって
ちょうど朝日にこの周辺の山が照らし出される時間に
ちょうど眺望が利く場所を外歩きしている結果、
こんな光景を見ることができるようになった次第であります。
まことに神々しく、ありがたい。
先日知人の方が、北極圏地域でオーロラに出会った感動を
お知らせいただきましたが、
こんなごく当たり前の身近な自然現象ですら、美は不変に存在する。
この星の世界が見せてくれる美しさを、可能な限り謙虚に
受け止めて生きていきたいものだと思います。

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