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心に残り続けている一枚の絵

さて、きのうは連休の中日。
3連休と言うことを直前まで知りませんで、月曜日は仕事と思い込んでいた(笑)。
で、せっかくの3連休なので・・・と思っていて
こころに浮かんできたのは、一枚の絵でした。
先日の釧路出張でもできれば、と思っていたのですが、
ほかの案件で忙しくてとても時間が取れなかった。
その絵というのは、六花亭がやっている中札内美術村のなかのどこかの1軒で見た絵で、
十勝の夏の田園風景なんですが、北海道の絵には珍しく、
画面から暑さと高温多湿感が伝わってくる夕暮れの絵で、一本の木が
メインの構図を持っていた絵です。
不思議な黄土色のようなかすみが絵全体のトーンになっていて、
これは本当に具象なのかと疑いを持ってしまうような絵柄だったのですが、
たぶん、幼児期のわたしの原体験風景とシンクロしているように感じられ、
その絵に描き込まれた「空気感」、その重さが、
鮮烈に、わたしの心の中に強烈な存在感を占めてしまった。
以前、カミさんと見に行って、
「この絵を購入したい」という無理な欲求をふいに覚え、
その無理さを、深く認識もしていたという絵です。
そこまで記憶しているのに、作家の名前も絵のタイトルもまったく記憶していなかった。
その絵と出会ったのはもう5年以上も前のように記憶していますが、
まぁ、情けないほどの記憶劣化であります。
しかし、展示されている場所はわかっているので、
手に入れるというような無謀な欲求は無理としても、
もう一度、見に行こうと思えば行ける、と思ってはいたのですね。
で、ことし、そんな思いがとても強くなってきたという次第。
ふいに訪れた時間の隙間で、もう一度見に行ってみる旅に出たのです。
・・・なんですが、
しかし、無計画な思いはダメであります(笑)。
札幌から大して調べもせずに出発して、中札内に着いたら、
なんと、中札内美術村は「冬期休業中」だということ。
「え、美術館が冬期休業?」という思いも寄らない事態になってしまった。
どうも、自然の森の中の美術館なので、
冬期間は展示環境を維持・運営するのが困難なようなのです。

なんとも残念無念な顛末になってしまった。
で、やむなく以前から見たかった「帯広美術館」の建物と展示を、
せめてということで、見て参りました。
こちらは知人の建築家・鈴木 敏司さんが設計した建築です。
十勝の森のなかに、その環境と調和するように建てられた美術館です。
建築家というのは、とくに美術館設計には思い入れがみんな強いようで、
この設計コンペは、当時、大きな話題になっていた。
ということで、これはこれで楽しく見学いたしました。
で、ちょうど、19世紀から20世紀にかけてのフランス・パリの
写真印刷の直前の段階でのポスター表現の展覧会を見てきました。
この試み、なかなか面白い企画展で、時間を忘れて楽しめました。
しかし、・・・
目的だった絵には会えず仕舞いで、しかも行けばなんとか、
いろいろな情報程度は知りうると思っていただけに
無念さが募ってしまった。
むむむ・・・。やりきれなさが残ってしまった連休であります。

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