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優美な窓飾り

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写真は北海道開拓の村に建てられた
「擬洋風建築」にあった窓の外部飾りです。
いまはこういう手の込んだ優美なデザインは無視されがちですが、
このように詳細に見ていると、
このものの建築的な意味合いが明確に見えてきます。
わたしの少年時代、昭和30年代には、なぜか札幌って
こういう「擬洋風建築」が多かったものです。
開拓期の残像がまだ、残っていたということを表しているのだと思います。
そんな建物のあちこちでこういう窓の表情を見ることがありました。
前に気づいた出窓もそうなんだけれど、
こういう窓の外部意匠も、「擬洋風建築」を特徴づけるものだったように思います。
ただし、このように見ていると、けっしてこれらは
デザインを優先しただけのものではなく、
外部からの日射しを調整したり、雨や雪と言ったものから
建物でもっとも弱い部分・窓を守る働きをしていたことが明瞭。
現代でも、最先端の住宅性能を考えてくれば、
こういう部分が果たす役割に大きく注目が集まっているのです。
現代の多くの住宅では、施工の手間を省略するように
こういう手の込んだ手法は顧みられなくなっているのですが、
外部からの日射をコントロールするためには
このような装置でオーニングする手法がもっとも効果的と思われるのです。
また、長期的に窓を保護するためには
やはり水分進入を厳重に防御する、こういう考え方がベストと思えるのです。
こういう明確な役割を果たしながら、
優美なディテールをそのかたちに与え、愛着を演出もしている。
外側から見たときにも、建物に奥行きのある美しさをもたらしています。
目鼻立ちを考えて、しかもその陰影感を強調もしてくれるのですね。
しかも、日射の変化に応じて刻々と表情も変えてくれる。
こういうクラシカルなデザインに、豊かな機能性も見いだせるワケなんです。
よく「効率優先」と、現代を表現しますが、
自然との調和、というこれからの社会を考えていくときに、
知恵は、むしろ、こういう時代のものの方が遙かに優れていたのではないかと
感じられてなりません。
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