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【狭い空間も満喫する「低い視線」は日本文化】


写真はある賃貸住宅での「模様替え」の様子。
現代人はなんでも家具を買いまくるけれど、
発想を変えて、ソファ+ベッドライフスタイルの刷り込みをそぎ落とし、
洋風のフロアでも敷き蒲団を重ね敷きして、ちょっとしたクッションを背もたれに
「低い目線の安楽装置」とした事例。
いかにも日本的座り文化でありながら、それでいてソファのような雰囲気も楽しめる。
しかも目線が低くなるので、天井高が大いに強調される。
狭い空間でもそれなりに「広がり」感が楽しめるのではないか。

ふとんって、カバーを掛けるのが一般的だけれど、
蒲団生地って結構カラフルな図柄が多いと思う。ちょっともったいない。
いまの時代はほとんどカバーを掛けてカバーを定期的に交換して
洗濯して使うわけだけれど、たまにはこんなふうに蒲団生地そのまま
インテリアの主役にさせてみるのも楽しいのではないでしょうか。
世界の寝具の中でも日本のふとんはかなりオリジナル。
あんなふうに「上げ下げ」して毎日たたんで整理収納しながら
さらに時々は天日干しまで心がけるインテリア装置って他国にはあんまりない。
今回のコロナ禍で日本の清潔習慣について触れられる論調が増えているけれど、
この「ふとん」もまことに重要な役者ではないかと思っている。
こんなふうに重ね敷きして使っても、ときどき天日干しでもすれば、
いつも清潔を維持させることが可能。
今回のコロナ禍でもうひとつ、靴を家の中では脱ぐ習慣も着目された。
靴を脱いで裸足になることで、素材の柔らかな質感への感受性も鍛錬された。
蒲団が持っているあの柔軟な反応力は日本人のDNAに深く染みわたっている。
足を組んで座ることで、起居にもリズム感も生まれて
毎日の健康維持にも効果的な側面もありそうだ。

ふとんをもっとインテリア空間で活用する工夫、アイデア、
立って半畳寝て一畳+「座って安楽」みたいな文化、
住宅建築の側から大いに出てきてもいいのではないだろうか?

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