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【子どもたちに「屋根にのぼる」体験をさせる】

写真はReplan東北最新号の「スモリ工業」さんの取材記事から。
同社は仙台からクルマで30分ほどの松島の奥の「大郷町」で
廃校になった小学校の建物を再利用して
「たのしいおうちづくりの学校」というコミュニケーション施設を作っています。
住宅というものを総合的に体験できる施設というものは
なかなか得がたいということで、実際に多くの子どもたちが見学している。
そんな様子を取材記事構成したのですが、
わたし的にオモシロかったのが、この写真の様子であります。

現代はお節介なほどに社会が人間行動に制約を加える。
危険回避という意味はもちろん了解可能だけれど、
いまどき「屋根にのぼる」というコトバ自体、聞くことができなくなった。
もちろん積雪地域では「雪下ろし」という一般語が存在しているけれど、
それ以外の地域では、ほぼ聞かれなくなったのではないか。
一方で人間というのは「なんにでも興味を持つ」という好奇心の要素が
その「進化」を支えてきた基本的な要因であると解明されてきた。
熱帯のアフリカから全地球に拡散していったグレートジャーニーは
強い好奇心なくしてはあり得なかったでしょう。
そういう意味では子どもたちにとって、日常的に目にする「わが家の屋根」に上って
そこからどんな風景が見えるか、どうしたら上れるか
そんなことを夢想するのはきわめて自然なことだと思う。
わたし自身、幼い頃、何度も家が改造されたこともあって
屋根にのぼることに好奇心を強く抱き、なんどか上った経験がある(笑)。
その結果は別段のこともなかったけれど、危険のキワを体験はできた。
ここまでは安全にやれる、というような体験記憶。
こういったことがらって、考えてみれば大切なことではと思うのです。
体験することで、その本質がカラダに刻み込まれ肉体化する。
具体的な想像力を持てる、という意味では得がたい体験だろうと。
そういった意味で現代社会の中で、この施設のように
実物大の瓦屋根に自分の手足を動員して、上ってみられる場は
非常に興味深い体験を子どもたちに、十分な安全範囲で体験させられる。
靴底と平滑に見える瓦屋根の摩擦の具合とか、
手足をどのように動作させれば「上る」ことが出来るのか、など
それこそ「おうち」についての具体的体験ができる。

こういった体験記憶が子どもたちにどんな刺激になるか。
少なくとも、自分の体感で感覚できることは間違いが無いでしょうね。

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