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【青森と北海道 住宅文化の違いと同一性】

きのう、札幌から八戸に入って住宅企業各社探訪であります。
本日は東北電力十和田営業所主催の「オール電化住宅25周年」イベントに参加。
写真は三沢の設計事務所「一級建築士事務所 ワックアーキテクツ」さんの
HPからの写真です。
住宅マーケットというのは、その土地に根ざした暮らしがベースであり、
その地域の生活文化的諸条件が注文住宅には反映される。
青森県東部地域は、東北の最北端であるけれど、
ほかのたとえば、青森県西部地域、弘前を中心とする津軽とは
明瞭な生活文化的違いがある。
生活デザイン的には北海道への志向性が非常に強く感じられる。
言ってみれば寒冷気候への合理主義的対応が普通一般的。
ただし、北海道とは違って、伝統的間取り感といったものがある。
それは地域のベースにある「農家住宅」で顕著で
とにかく間取りが大きな家が多いこと。
平気で50-60坪といった住宅が建っていて、そういう住宅での体験記憶が
若い世代の家づくりでも基本的に踏襲されている部分があり
このワックアーキテクツさんでも「平屋」のリクエストが多く
それも40坪くらいの大型の間取りが取られているそうです。
子どもがまだ小さく1人しかいない段階でも2人を想定して
それも一人あたり8畳間×2という間取り感覚が存在しているという。
同じように生活合理性が底流の北海道では
そういう間取り感覚はほとんどない。
むしろ北海道は多くの地域からの「移民」によって人口構成されていて
3代も4代も経てくることで、母集団社会の「伝統」にかわって、
シンプルな「核家族」的生活合理主義という主体的選択がある。
寒さへの対応という側面ではこちらの地域も北海道の家づくりと
まったく同様の選択がされるのに、やはり違いが大きい。
また、そういった大きな住宅を求める結果であるのか、要因であるのか
敷地面積が一般的に100坪ほどを用意されるという。
八戸などでは50-60坪程度が主流のようですが、
三沢などの地域ではクルマ社会であり、夫婦それぞれにクルマ通勤が多く、
駐車場2台分確保がいわば前提でもある。
こういった広い面積を確保するけれど、そうは言っても
庭などの造作メンテナンスにはそれほど関心がない。
このあたりも北海道との類縁性が感じられる。

いろいろな生活感の違いと同一性を聞き取りできます。
その上で家族の数だけ暮らし方には違いがあります。
抽象して知恵を交換し合うと同時に、こういった違いをヒアリングすることで
より豊かな情報コミュニケーションが生まれます。
やはりそういう部分はいつも学ばせていただけますね。

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