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【ZEHは工業製品発想的。注文生産住宅との距離感】

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本日はお馴染みのZEH(ゼロエネハウス)情報であります。
どうもわたしのZEH情報発信は、反ZEHアジテーションだという
声なき声(?)が聞こえてきております。
東大・前真之准教授から、トランプ大統領候補のアジ演説と対比した
「トランプ三木」という、わりとお気に入りネームもいただいた(笑)。
が、感謝こそすれ、筆鋒はいささかも影響を受けません。
一昨日も札幌市内である住宅研究団体の会合があって、
講演者の方から会場全体に対して質問が提起され、
「ZEH、好きですか? きらいですか?」という一問一答。
会場の答は、圧倒的に「大っ嫌い」というものでした(笑)。
で、わたしにその後発言の機会を振られたので、お答えしたのですが、
ZEHに対しての違和感を解読すると、
どうも表題のようなことが、突き当たってくるのです。
多くの住宅生産者は、自身のいろいろなマーケティング努力の結果、
ようやくにして個別のユーザーと住宅計画を共同するようになる。
景気が悪くなれば、建て売りのような販売形式にも手を出すけれど、
基本的には建て主さんの思いを汲んだ「注文住宅」受注を目指している。
建て売りは土地の仕込みやら原価の前倒し発生もあって、
ギャンブル性が高く、経営としては注文住宅がいちばん安全率が高い。
基本的には建て主からの注文を極力反映した注文住宅という
「受注生産製造業」なのだと思います。
そこでは自然素材のすばらしさのような志向性が語られあっている。
その会話プロセスで、住宅生産者がZEHについて語らねばならない。
自分自身が本当にそう思えていることしか、相手を「説得」できないのは自明。
どうもZEHへの違和感はそういった場から沸き起こって来ている。

一方で経産省という国の組織は、
「国策」を業界に「指導する」という思惑を持って住宅業界に関わってくる。
エコカー施策推進というかれらの「成功体験」からすると、
製造業に対しての業界全体の方向付けに自信も持っているのだと思います。
ただし自動車メーカーは基本的に工場ラインでの生産管理に基づく製造業。
そこでの生産商品は、事前に入念なマーケティング調査をするとはいえ、
基本的には工業製品として市場に出荷される。
こういう業界と受注生産製造業とでは自ずと生理的構造に違いがある。
このあたりの相違について、経産省側ではどんな作戦を立てているのか、
いまのところは、どうもエコカーでの体験の後追いというイメージが強く、
大手プレハブメーカー寡占化を通しての市場コントロール指向がみえる。
まずは太陽光発電ありき、という基本的方向性では、
家づくりのポリシーの部分で、あまりにもメカ志向が強すぎて
「自然派」の家づくり志向という多くの住宅生産者の方向に寄り添っていない。

ただ「トランプ三木」とは揶揄されてはいますが、
わたし自身はできれば常識的なクリントン派でありたいと思っている(笑)。
こういった違和感をほぐして、本来のエコロジカルな目的に叶う
ZEH推進の方向性をぜひ共有していきたいものと思っています。
大きな流れの中で、よりよいZEHのかたちを考えていきたいですね。

<きのう発信したブログは1日未満で5000人近い人にリーチ。
エアコンという身近な機器が、高断熱住宅に熱源採用されて、
多くの温暖地のみなさんの興味のきっかけになっている実感を持ちました。>

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