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【共働き率63%という与条件が持つ意味】

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図は、総務省の「労働力調査」からの資料。
ごらんのように、いわゆる「専業主婦」と「共働き」の世帯の割合を
経年的にあらわしたものです。
これをみると、35年前には「家庭」というのは、
専業主婦がいる方が多数派、おおむね7割程度で、
共働き世帯は3割程度だったのが、
この35年間でほぼ割合が逆転し、さらに加速度的に
共働き率が上がってきている様子が見て取れます。
この傾向は少子化の進展もあって、女性労働力が期待されることとあわせ、
もっと強まりこそすれ、逆転は考えにくくなってきている。
今の時代は、こういう共働き世帯がふつうの状態であり、
それ以前の社会とは大きく変化しているけれど、
では生活常識はどうかといえば、専業主婦が常態とする家族観も根強い。

こういった傾向は、住宅にどんな変化を生みだしているのか。
夫婦とも働きに出掛ける方が普通になれば、
第1にその立地はどういった選択条件になっていくのか?
普通に考えれば、その通勤に際して両方に便利なように考える。
それか、主たる収入源の職場との立地を考えて、
それから従たる収入源の働き場所を探していくというようなことになるでしょう。
いずれにせよ、利便性というモノの価値感が高まっていく。
では、職場というのはどういう位置になるか・・・、
というように考えていくと、総体として都心回帰型の住環境選択が自然。
では、次に内部デザインとしての与条件的な変化は?
これはもう圧倒的に、「省家事」ということが求められることが必然。
現代人がもっとも不足するのは時間であることは、明白。
家電に求められることは、より時間節約型のものになる。
間取りとしても、基本的に家事労働時間が節約できるかどうかが
いちばんの基本になるのではないかと思われます。
たぶん、ワンルーム的な空間志向はもっと強まって、
間仕切りや個室がたくさんあるという間取りは敬遠される。

そして、そういった時間の無い生活では
冬に家に帰ってから、暖まるまでに時間がかかる家というのはムリ。
基本的には、そういう温熱環境にも即応性が求められる。
いまのユーザー志向がおおむねこういった傾向にあることは、
いつも肌に感じていることです。

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