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雪のなかで美しい家

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先日、伝統木造工法の住宅のデザインで著名な建築家の講演を聴いていました。
屋根の形状が複雑に組み合わされている
いわば自由な屋根のデザインで構成された作品を見ていたのですが、
どうにもそういう感覚に違和感を抱き続けていました。
なんなんだろうか、という感覚。
きのうは久しぶりにカミさんと、美唄のアルテピアッツァに行って参りました。
北海道はこの数日間、けっこうな雪の降り方で
大好きな喫茶店はどうなっているか、
まだ、営業しているのか、不安でしたが、
そこからの雪景色を見てみたい、ということで
近接の日帰り温泉施設訪問も兼ねて
出かけた次第です。
で、写真のような光景に出会うことができました。
そうなんですね、雪の中で美しい、という感覚が
先日の講演からは、まったく感じられなかったのですね。
基本的に、雪との調和を考えれば、
造形的には北国では屋根はシンプルになるのが自然なんです。
北の自然を感じる森の中で
まるで祈りを捧げるような素朴な切妻を基本にしている。
下屋があるくらいで、なるべくシンプルにたたずむ、というのが
雪に対する態度としては正しいのではないでしょうか?
そして雪がきれいに落ちていくためには
軒先に氷柱ができてくるような
断熱気密に配慮していない住宅では、まことに見苦しいことになる。
屋根から雪は落ちてくれず、軒先には大きな氷柱ができ
複雑な屋根では、あちこち、見るに堪えない状況になる。
こういうことへの理解がない、と言わざるを得ない。
北海道の住宅が日本のDNAを離れて、
よりインターナショナルな方向に向かったのは
やはりこういう雪(と寒さ)への態度、という部分の対応が大きい。
木造構法は十分に理解できるけれど、デザインは理解できない部分がある。
そういうデザインの、それなりの良さは認めるけれど、
やはり汎用性のものとはいえない。
いわんや、これが素晴らしいんだ、というように共感は持てない。
針葉樹を中心とした背景の森のなかで
美しく凛として、
どんな自然条件にも耐えてあり続けようとする
この写真のような建物に抱かれていると、
やはり、これがわたしたちの本然の冬の美なのだと
深く思い至らざるを得ないのですね。
北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び

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