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室町期の木材製材

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きのうの続編です。
建物の建築作事のとなりに、こういう「木割〜製材」の様子がありました。
どうも、当時の工程としては、
建築現場で、こういう製材も同時進行していたようです。
よく見ると、白い上衣をまとった人たちが管理者のようで、
工程管理しているように見受けられます。
ここでみると、乾燥させているかは不明ですが原木を
切り割ったり、墨付けして一定の大きさに裁断したり、
ノミやカンナで、仕上げたりしている様子が見て取れます。
画面に見えるほぼ全員が烏帽子をかぶっているのは、
日本人に一般的だった風習なのか、
それとも、現代でヘルメットをかぶって作業するような意味合いを持っていたのか(笑)、
まぁ、そんな安全管理の考えは強くはないでしょうから
それこそ、裸になって作業しても、烏帽子だけはかぶっていたのかも知れません。
そういえば、髪を結い上げて、ちょんまげにするという
ちょっと奇妙な風習はかなり以前から、日本に定着していたのでしょうか?
この烏帽子を見ていて、なぜなんだろうと想像が膨らみますね。
上衣と下の衣類はそれぞれ別のようで、
まぁ、そこそこ機能的な様子が見えます。
先日のブログでも触れましたが、
こういった製材部分が、大きな公共事業終了後も、京都などで
その後も店を構えて営業していたら、
けっこうな繁盛をしたということで、現代にまで伝わってくるような
製材を立てて置いて商売するスタイルができた、ということです。
しかし、こういう労働の姿を見るのは楽しい。
いろいろなポーズで、一心不乱に働いている様子は
それぞれの職人さんの個性も伝えてくれるような
そんな想いを感じさせてくれます。
きっと、それぞれ、暮らしがあり家族があり、
っていうように考えていくと、時を超えてだんだんと親しみを感じてくる。
こういう職人集団のなかから、やがては「棟梁」になるような
優秀で人望もあるような人材が出ていったのでしょう。
また一方で、先日触れた小堀遠州のような芸術家的設計者も
「奉行」として、こういう作事職人集団を統率していたのでしょう。
こういう労働の結果、今日まで伝わっている大きな建築が作られていたのですね。
普通の人々の、ごく普通の営為が記録されているのって、
表現もわかりやすくて、本当に見ていて楽しく、あきない。
すぐにでもこの現場に行って、職人さんたちに声を掛けてみたいです(笑)。
北のくらしデザインセンター
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