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北斗遺跡

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おととい、やっとの思いで撮影してきた
北斗遺跡であります。
どうも様子を見てみると、12月に入って内部公開は
止めているようで、板戸が閉められ、鍵も掛けられておりました。
国の指定する史跡であり、
保存の意義からして、当然の処置と思います。
内部については、できれば電源機器などを持ち込まない限り
満足には撮影できないだろうと思っていたので、
まぁ、やむを得ないと了解できました。
ことしも実にたくさんの住宅を見てきましたが、
この家々(復元遺跡なので、?ですが)は、そういうなかでも格別。
現代住宅は実にさまざまな「材料」を使って建てられる。
その多くは化学製品を使わざるを得ない。
建材ということばに、わざわざ、「新」という言葉を付けて
化学処理した建材を使う。
室内の温熱環境をコントロール可能なものにするために
壁の室内側にビニールシートで「気密層」を作る。
また、壁の中にはガラスを繊維状に加工した材料を使う。
このことは、現代技術では、仕方のない選択だと思う。
しかし、それ以外では、できる限り、自然とともに呼吸できる素材を使いたい。
そんな思いを持って、現代住宅を見つめている。
この家々は、そうした思いから見つめ返したとき、
まさに極限的にシンプルな素材で、
しかも、可能な限りの知恵と工夫で
きびしい自然条件と戦ってきていた、先人達の思いを伝えてくれている。
まずは、竪穴という言葉そのもの、
地面を掘り込んで、柱を立てる穴を造り、そこに掘っ立てで柱を立てる。
その柱に対して、横架材を交差させ、やわらかいシナの木の樹皮などで
縛り上げていく。
そのように構成された軸組に対して、
茅束で屋根とも、壁ともいえる面を掛けていく。
そこでもやわらかい樹皮を使って、茅束を「編み込んで」いく。
屋根頂部には、雪割りを意識したものか、
樹皮を裏側にして被覆した木材が渡されている。
このような造作された内部では、
いろりによる暖房、かまどによる調理装置が作られている。
暖房装置は、掘り込んだ土壌に熱を貯えるように機能して、
たぶん、極寒期でも、一定以上の温度環境を作り出せていただろうと
推測できる。
数少ない自然そのままの素材を使って、
しかし、なんとも合理的に、
知恵と工夫で、生き抜いていくたくましさを感じる。
こういう姿に、「わび」を感じるのか、生きるバイタリティを感じるのか、は
見る人によって違うだろうと思う。
確実にこれは「わび」の精神に通じているとは言える。
だがしかし、そこには、必死な生存への思いの方が強烈で、
精神文化、というゆとりは生み出せなかっただろうと思う。
それでも、作られていた土器の中に、深い精神性を感じる瞬間もある。
そんないろいろの思いを
感じさせてくれる、家々だったと思う次第なのです。
これからも、訪ねることが多くなりそうな予感を持っているところです。
北のくらしデザインセンター
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