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津軽の古民家

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きのうに引きつづき、ふたたび津軽、弘前。
写真は仙台と山形のほぼ中間くらいにある「みちのく公園」に展示されている津軽の古民家。
この住居のあった弘前市は、津軽平野の南端付近で冬季には偏西風と混じって雪が横なぐりに吹き付ける厳しい気候の土地で、また豪雪地帯。この家は、馬屋を土間のすみに設けたまっすぐな平面形。座敷前には「げんかん」と呼ばれる屁を突き出している。座敷側の出入り口「げんかん」から入ると、「じょい(常居)」があり、その奥に「ざしき(座敷)」があります。(案内文より)
豪雪地帯らしく屋根の頂部には雪割りの工夫も見られます。ほかの東北古民家との違いは、突き出した「ひさし」部分。これはどう考えても「風除室」。家の中と外の中間に外部の土間空間を作って、体についた雪を払うためのスペースだったのでしょう。同じ北国に暮らすものとして理解できる、厳しい冬の生活の工夫だと思います。
展示では写真右側のようなねぶた飾りが目を引きます。
津軽の色彩感覚・造形感覚はねぶた祭りに集中的に表現されていると思いますが、そのまた先には、棟方志功さんの表現世界がほのみえてきます。「わだばゴッホになる」と宣言して東京で絵画を勉強した棟方志功からは、ねぶたのイメージが感じられます。かれが東京で赤貧時代に描いたふすま絵を、大家は破り捨てたそうですが、その大家さんは、現在の東京芸大のOGだった、という逸話も残っているんだとか。
この、雪に立ち向かい暗い冬を堪え忍ぶ伝統的な家・暮らしと、
いっぽうで極彩色で生命感に満ちた色彩・造形感覚の内面世界。
なんともいえない奥行きが感じられて、
わたし、津軽、ディープに好きです。

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