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和風の建具工事

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写真は先週取材訪問の石巻のお宅。
住宅の性能面でも、気取らないFFストーブでの土間蓄熱型暖房の
想像以上の心地よさにも感激だったのですが、
やはり随所に伺えた、地域に根ざした職人仕事が素晴らしかった。
ちょうど、土間の居間と、畳敷きの居間の境目あたりを
写真に納めたワケなのですが、
欄間飾り、引き戸、窓周りの内側建具など、
ぎっしりの「建具工事」オンパレード。
最近の「新建材だらけ」の住宅とはまったく違う異質な空気感。
まぁ、取材に行く住宅って、
わざわざ、住宅雑誌で取り上げるような住宅と言うことなので、
わたしなどはむしろ、こういう住宅を見る方が多いのですが、
心がけて、数多く建てられる、一般的な住宅展示場などにも行くようにはしています。
そう、みのもんたが宣伝しているようなのも含めて(笑)。
そういうものって、わかりやすく、新建材の組み合わせで作りました、っていう家。
あぁ、あぁ、っていう建材メーカー品で
交渉の結果、こういう範囲内の価格に納めています。
っていうような事情がそのまんま、住宅というモノを構成している。
実際にそういう建物を現場で造っている職人さんの仕事って
想像力を働かせようとしても難しい。
逆に、モデルハウスと銘打っているのに、
びっくりするような仕立ての悪さに遭遇することもある。
まぁ、確かに心を込めていたら、
コスト至上主義体質の中では、仕事はできないでしょうね。
写真で見るような職人仕事って、
わかりやすく、そうした「新建材集合住宅」とまったく違う。
細かい枠の組み方を見ても、それぞれ本物の素材を
手仕事で、しっかりと組み上げて仕上げている。
家って、一番大切な機能は、人間が暮らす感性の「ゆりかご」という点。
一番わかりやすいのが、子育ての場であるということ。
それは「教育」でもあると思うのですが、
その空間に人間の手仕事の味わいがあるかどうか、
結構、決定的な事柄ではないのか、と感じることが多いのです。
こうした手仕事に囲まれた空間の持つ肌触りのようなもの、
ぜひ、こういうことが理解できるような人間に育って欲しいと
親が願い、そのように意識しなければ
そうした子どもの感受性も育ちにくくなっている時代ではないでしょうか。
こういう手仕事の、地域に根ざした製造業、ものづくりが
これからもしっかりと存続していって欲しいものだと思っています。

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