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東北人の感受性

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写真は、青森市の発祥伝承のある善知鳥神社の看板であります。
この神社、うとうじんじゃと読む。
うとうというのは、中型の海鳥(ウミスズメ科)で
非常に個性が強く親子の情愛が深い保護鳥。
嘴橙黄色.嘴峰線は黒く、繁殖期には上嘴基部に三角形の突起物がある。
翼、尾は灰黒色。顔、腮、喉、頸、胸は灰かっ色で
頭には二条の白色糸状飾羽がある。腹は白く腹側灰かっ色。
で、古代人は、ウトウ鳥が天空の神々より与えられた神意を
地上の世界に使わし、
人々を善へ導く聖なるものと考え神使の象徴として善知鳥の字を充てた。
とされている。
『アイヌ語地名辞典』西鶴定嘉著では、
烏頭 ウトウ u-toのuは、名詞の接頭語として場所を示す。
toは沼を意味する。よって、u-toは「沼のある場所」となる。〜
『郷土誌うとう第40号』中道 等では、
ウトウはウタ・オタ・アイヌ語の沙だ。
ヤスカタは砂のある場所の陸の水神、ヤシオカタだろう。〜
新村 出(言語学者)
ウトウはアイヌ語で「突起」を意味する語であり、
この鳥の嘴が突き出ているので「ウトウ」と呼ぶようになった。 〜
っていうような一連の探求が行われているようです。
でも一番印象的なのは、
親子の情愛が深い、とされていることで、
親鳥が空からひな鳥を「うとう、うとう」と呼びかけ、
一方、ひな鳥は「やすかた〜」(この神社の所在地名は安方)と叫んでいる、と
人口に膾炙しているというお話しが、東北人的な感受性に似合っている。
どうも、このような優しさがいろいろな口承の中に多いと感じる。
それと、この看板であります(笑)。
お世辞にも、うまい、美しい、という感嘆的な印象ではなく、
なんともでっぷりとしていて、ユーモラス。
棟方志功さん的な、ヘタウマ感がどうも伝統でもあるのかと
そのように感じてしまうのですが、
こういった絵がいいと感受する精神性にも、
いかにも東北人的だなぁと思ってしまいますね。

ここんところ、
ずっと面接などを通して、多くの人と接してきて、
こんな思いが強く感じられてなりませんでした。

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