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無落雪屋根住宅のデザイン

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写真は先日のアース21札幌例会での住宅視察のひとこま。
札幌の住宅って、日本の中でも特異な進化を遂げてきた存在ではないかと思います。
現在でこそ、首都圏などの住宅デザインでも
インターナショナルなモダンデザインへの指向が強くなっていますが、
そういうなかで、シンプルなボックスデザインというものに挑戦する例があります。
そういうのって、デザインが動機になって生み出されているものですが、
札幌での場合は、ちょっと違って、
積雪という条件がまずあって、その後に敷地条件が狭くなっていくなかで、
やむにやまれぬ選択として、屋根から雪を落とせない、ということになっていった。
いまでいえば、「陸屋根」という呼ぶよりも、
「無落雪屋根」と呼ぶ方がポピュラーかもしれないけれど、
この言葉自体も、たぶん温暖地では聞き慣れない言葉なのでしょう。
まぁ、雪を落とす敷地のゆとりがなくなり、
同時に「お互い様」というような隣近所関係も希薄になっていくなかで、
建築的に雪を屋根に載せたままに出来る作戦が考えられたのですね。
しかし、そうなると、日本の住宅デザインの系譜のなかには
こういうボックスタイプでのデザインの歴史などはないことに気付く。
そこから、苦しいなかでの住宅デザインの模索が始まってきた。
屋根でデザインできない、という現実のなかで
逆に言うと、屋根でどれだけデザインというものが押し隠されてきたのかも
必然的にあらわになってきたとも言える。
まぁ、そんなような雑感が沸き起こってきます。
現在は、シンプルモダンというような言い方がでてきて、
こういうボックスの潔さ、のようなものが浸透してきている。
しかし、札幌でのこういうタイプの住宅のデザインの工夫は常に進化している。
屋根がないなら、壁と開口部、その配置によるデザイン、という
明確な目標が定まってきているので、
表現のバリエーションは少ないけれど、やりようはある感じがしますね。
そういうなかで、この住宅。
外壁の素材をいろいろに変化させていて、モンドリアンの絵のようです。
四角く縁取りを固めて、開口部の配置と大きさで勝負しています。
よく見ると、外壁素材もいろいろなバリエーション。
窓は、樹脂なのだけれど、枠がほっそりと見せられていて、
現代風のシャープさが訴求されています。
最近は、むしろシルバーのアルミっぽい素材感が受けているのだそうです。
こういうデザインの住宅、どう思われますか?

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