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個人の私的権利と社会的子育ての狭間

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ふたたびマスコミからの問い合わせが来ていました。
今回は日本テレビからの取材協力要請。「こどもの声や遊ぶ音が騒音となって困っているケースが無いか?
或いは増えているといった現状を探しております。」ということです。
直接のきっかけは、読売新聞の以下の記事ということ。
●子供の声「騒音」の時代、自治体への苦情増加
 「部活の練習がうるさい」「児童館で遊ぶ声が騒がしい」——。学校や公園などで、子供の声を巡って、周辺住民との摩擦が生じるケースが増えている。読売新聞が全国の県庁所在地、政令市、東京23区の計73自治体を対象に調査を行ったところ、各地の自治体が、子供の声や部活動で生じる様々な音に対する苦情の対応に追われている実態が浮かび上がった。 今回の調査では、48自治体で何らかの苦情が寄せられていた。
東京都北区の小学校で今年7月、ブラスバンドや合唱など、日ごろの練習成果を発表する音楽会が行われた。会場の体育館には冷房がないため、窓を開け放っていたところ、体育館裏に住む人から苦情の電話があり、窓を閉めて続行した。松山市の中学校には2、3年前、「野球部員の声やボールを打つ音がうるさい」と苦情が寄せられた。住民との話し合いの結果、声出しはやめることになった。野球部は今も黙々と練習しており、住民は「以前よりは静かになった」と納得しているという。放課後の子供の遊び場である児童館も、例外ではない。東京都練馬区ではこの1年間に、住宅地にある児童館2か所について、「子供の声が響いてうるさい」という苦情があった。窓やカーテンを閉め、子供たちに「館内では静かに遊びましょう」と指導し、子供が大声を出す度に、職員が注意しているという。今年6月、福井市内の公園の使用について、住民から市にメールが送られた。「サッカーボールで遊ぶ音に悩まされている。(自宅の)敷地に入ったボールを取りに、子供が勝手に入ってくるのも迷惑」との内容。担当者が公園に行ってみると、ボールが金属製のフェンスに当たる音が響いていた。市ではフェンスの手前にネットを張り、フェンスに向けてボールをけらないよう呼びかける看板を設置した。こうしたトラブルを未然に防ごうと、東京都の杉並区教育委員会では、小、中学校を改築する際に、周辺住民から要望を募っている。中にはこんなものもあった。「プール授業がうるさい。地下のプールにしてほしい」「体育の先生は小さい声で指導を」「校庭での球技はうるさいから禁止してほしい」。区教委では「抑えられる騒音は抑えるよう努力する」としながらも、困惑顔だ。 通学時の子供の声について住民らから指摘されることがある世田谷区教委の担当者は、「昔は学校ということで地域の人たちも寛容だったが、最近はそうもいかなくなった」と話している。
(2007年10月22日14時39分 読売新聞)
さて、いよいよ、私的権利とはなにか、というような問題にまで
踏み込んだ論議が必要になってきた気がします。ちょっと危機的。
マンション騒音問題の広がりと同時に、こういう問題が浮かび上がってきています。
ことがらは、子育ての本質的な問題まで問われてきているように思います。
子どもたちが野球をするときの掛け声を騒音とするのか?
こういうものにまで、近隣住民の私的権利を認めては
たぶん、社会として子育てもできにくい状況を生み出しはしないか。
非常に疑問に思います。
みなさん、いかがお考えでしょうか。
写真は記事とは無関係です。皇居のお堀。

One Response to “個人の私的権利と社会的子育ての狭間”

  1. 都会は子供達にとっていよいよ住みにくいところになってしまいますね。
    少子化問題を考える前に子育てのしやすい環境を整える方が先決だと思うのですが、このような大人達の社会で若夫婦は子供を産み育てたいと思えるのでしょうか。。。モンスターペアレンツならぬモンスター地域住民には悲しい思いがします。
    自分の孫や子供が夢中で野球やプール遊びに没頭していたら不快な思いはしないと思うんだけど・・・そもそも学校のそばを選んで住むということにはそういうことも予想し覚悟しなくちゃいけないのでは?と私は思います。

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