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探求するものを持つ愉しみ

ことしもあとわずか。
忙しさが募ってきていて、なかなか余暇の時間は取れません。
わたしの趣味生活が、歴史探訪であることはこのブログでご存知だと思いますが、
時間の合間を縫って、仕事の空いた時間を利用しているので、
なかなか目的的な探訪は出来ません。
素人の歴史愛好家なので、これ以上は望むべくもないと思い定めております。
が、やはり、本当はもうちょっと歩きたい(泣)。
わたしの歴史好きはもともと、初めて読んだ本が「平家物語」だったことからなのか、
たぶん、そんな小学校低学年時代からのものだと思います。
もう、血湧き肉躍る平家物語の世界に耽溺して
それと同じような本ではないかと思って
母と本屋に行ったときに「かあさん、源氏物語」って、買ってくれ」とお願いして
不思議そうな顔をされて、その本を手にとってレジに向かう直前に
「おまえ、本当にこんな本を読みたいの?」
と聞き返されて、初めて源氏物語が王朝文学であり、
色恋沙汰を書き連ねたものだと言うことを教えてもらって、
赤面して要望を取り下げる失敗経験にまでさかのぼります(笑)。

日本史は、勉強をしていた、という体感記憶はなく、
ほぼ趣味の世界を教えてもらった、読破したという事だった気がします。
ただ、成績はどうだったか、記憶はありませんが(笑)。
で、その後、学生運動とかに多少関わったあとの
精神の整理期間に司馬遼太郎の小説群を読みつづけて、
冷静な歴史への思いを再度確認させられてきました。
そういうことで、仕事は住宅関係と言うことに傾斜して行きつつも、
そのなかでも民家、というような歴史的建造物に目が向かっていった。
ここ4〜5年、東大の先生とか、
全国の歴史的建築物についての中心的な研究者の方々と
取材という形で係わらせていただくようになり、
どんどん、内面の趣味世界とクロストークするような瞬間に遭遇させられています。
一方で、数十年前に仕事で係わっていた北海道開拓の村のことなど、
北海道の「考古学」的な探求者のみなさんも知ることが出来ました。

最近だと、筑波大学の安藤邦廣先生と知遇を得、
かれが室蘭工大の鎌田紀彦先生の弟弟子に当たるということも知るに及んで
どうも、わたしの趣味世界も現実の仕事の世界とクロスし始めています。
また、北海道の考古学の先端的な知見の動きも大変興味深い。
そんな状況になっているのですが、
こうしたみなさんが「仕事で」探求できるようには動けるわけもない(笑)。
まことに切歯せざるを得ない状況であります。
しかし、そこはあくまでも素人としての部分であって、
その分際の中で、尽きせぬ興味を涵養しつつ、
事物に触れ続けていきたいと思っています。
年末年始の時期には、ことし、仕事の日程の「ついで」に見学が可能になった
いくつかの歴史的空間、事物について思い起こしつつ、
書いてみたいと思っています。

写真は、下野国宇都宮郊外の縄文遺跡のお墓「入り口」の復元。

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