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特色のある地域づくり

写真は、岩手県住田町の気仙川沿いの街並みを見たところ。
案内してくれた町職員の方からは
「この橋から見た雰囲気がいちばんいいですよ」と話されました。
確かに、独特の雰囲気がある景観を見せている。
この写真を見て、みなさんどんな印象を受けられるでしょうか?
町の印象というのは、結局、個別の建築が大きな要素を占める。
その建築、ここでは住宅の連なりですが、
それが画一的で、屋根の傾斜も方向も揃っていて、
整然とした、ある雰囲気を作りだしていることは明瞭です。
ある人に言わせると、江戸時代の街並みが再現されているようだといわれる。
現代とは思われないタイムスリップした雰囲気であるのかも知れない。
この住田町では、豊富な森林資源と気仙大工の伝統が息づいていて
「森林・林業日本一の町づくり」ということが、
街づくり、町経営の基本的な考え方として明確に表れている。
で、そのような印象を抱くとして
現代人は、このような街並みに対して、好悪でいえば、どのように
「感じる」のだろうか?

ここのところで、まだ十分に整理されてこない。
わたし個人としては、
街、という概念は本来、こういうものであるように思っている。
この写真の場合、明確に気仙川と、後背の森林の樹木が住宅を縁取っていて
そこに伝統を感じさせる統一感のある住まいが展開している。
ひとが、そこに住みたい、と感じる要素のなかで、
どうもかなり大きな部分が満たされている、というように感じる。
あるストーリーが浮かんでくる、とでもいえるのだろうか。
「あぁ、こういう場所なんだ、じゃぁ、こんなふうに暮らしてみるか」
というように、各人に内語がおのずと浮かんでくるように思われる。
そしてもっといえば、こういう街の中で、
隣人のみなさんとどんなふうに対話していこうか、
というようにも、考えが始まっていくようにも思われる。
建物の配置計画で、そんなふうなある「きっかけ」も生まれる気がする。

繰り返すけれど、
ここのところで、まだ十分に整理されていない。
しかし、特色ある地域というものに向かって
ある試みが意欲的に行われている、ということは
どうも、かなり確信的に伝わってきます。
みなさんはどんな印象を持たれるのでしょうか?
たとえば、東京の住宅地に暮らしているみなさん、
あるいは全国どこにでもある
新興住宅地のカラフルな街並みに暮らしているみなさん、
それぞれ、どんな印象を持たれるのだろうかと、
ひとりひとりに聞いてみたいなぁと思っています。

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