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人の世に残っていく痕跡

先日東京に行ったとき、
ふとした時間が合ったので、散歩がてら
泉岳寺に立ち寄ってみた。
泉岳寺と言えば、赤穂浪士たちのお墓があることで知られている。
写真は、その集団墓地の中の首領、
大石内蔵助の墓であります。
ちょうど訪れたときにも、多くのみなさんが礼拝し、
花を手向けたりしていた。
500年近い時を越えて
日本人にずっと愛され続けてきたこの行為は、なんなのだろうか?

江戸の時代でも、人間の営為自体はそうは変わらないだろうと思います。
その多くは打算であったり、
日々の雑事の連続の中で費やされていったものに相違ない。
そういった営為の間に、ときどきちょっとした変化があり、
日々の世情の色合いが移り変わっていく。
殿様の不始末の結果、失業の憂き目を見た当時の「地域政権・大手企業」
とでもいえる赤穂藩のひとびとが、
その存立の基盤の理由の原理原則に則して
「主君の仇を討つ」という旗幟鮮明な行動に出た、ということは
まことに生々しい事件だったのだろうと思います。
江戸の中期において発生したこの事件が
その後の支配階級としての武家にとって、
大きな精神的拘束力を持ち、幕末に至るまでの
武士階級の倫理的意識を規正していったことは想像に難くない。
「こうであるべきだ」と考えているだけなのと
そのように実際に規範として行動すると言うことの間には
巨大な距離があるのだろうと思いますね。
そして現代に至っても、泉岳寺はこのかれらの声望によって
寺域に来訪者の絶えることがない。
人間の営為の価値観というのは、こういったことなのかと
それを教えている意味でも、まことに日本人であることの
根源的な部分で重要な精神領域を形成していますね。

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