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竣工式参列

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きのうはわたしの実家の食品製造業のほうで
札幌市近郊、30分ほどの距離にある恵庭工場の増築竣工式がありました。
この施設、けっこう面白い仕事をやる拠点になるもの。
北海道の地元食材を活かしたユニークなチルドタイプ商品を
いろいろに開発していこうというものです。
一時期、おせち料理で注文が殺到して配送が追いつかず
ちょっとした騒動になった事業がありましたが、
それと連携して、独自の冷凍技術を用いながら
北海道のおいしい食を新開発していこうというワケなんです。
まぁ、そういう面白い動きなので、製造業の事業革新として
国や、自治体などから大きく注目されていまして、
冷凍技術の開発元は、ものづくり日本大賞を受賞したりしています。
そんなこともあって、竣工式には経済産業省の外郭団体やら
北海道の経済部商工局とか、いろいろな金融関係、そして、
多くのバイヤー企業さんが竣工式に見えられていました。
というのが、実家のための宣伝です。
ふう、やれやれ。
まぁ、関係者としては、大丈夫なんだろうか? と心配ではあるのですが、
やる以上は、絶対に成功させたいものだと思っています。
で、わたしは朝から、竣工式に出席すべく準備。
お祝いはまぁ、簡単に包めばいいので、それはいいとして、
こういうときには、やっぱり熨斗のついた清酒2本セットというのが定番。
それを買い求めようと出かけました。
ちょうど会社事務所の向かいがセブンイレブンで、酒も扱っているので
やってくれるんじゃないかと思って、アルバイト店員さんに伝えました。
が、反応はすこぶる鈍い。
一応こちらも、こういうのは年のいった方にと思って
2名いた女性のなかからやや中年近いとおぼしき(失礼)方に話を振った
のですが(笑)、案の定、説明してもにわかに事柄が特定できていない。
お酒自体は扱っている。
しかし、包装する2本入りの紙箱という存在自体を知らない。
教えて、バックヤードで探してもらう。
ごそごそ、「これですかね?」「やった、あるじゃん!」
って、今度は酒を、と思ったら1升瓶入りの酒がなんと1本しかない。
って、おい?という状態なんですね。
これじゃ、どうにもならないな、この先、のし紙に筆書きなんて
理解されそうもなさそうなので、時間もないので早々に退散。
こういうコンビニ関係だと、こうした贈答文化は理解できないよな、
と、ひとりごちしながら、古くからやっているような酒屋さんへ行ってみました。
開店まもなくだったのか、「こんにちは」と声を掛けても
人が出てこない。「ん、ん」と思っていたら背後からくぐもったように
「いらっしゃい・・・」
と、中年手前くらいの主人とおぼしき男性が登場。
こちらも時間があまりないので、手短に用件を伝えたワケですが・・・。
これも反応が心許ない。
お酒はややほこりをかぶっているけれど、「剣菱」やらがあるので、
それでいい、と2本指名。なんですが、どうも雪かきの直後らしく、
動作が全体にゆっくり気味な上に、無表情っぽいので、
こちらは不安が募る。
手早くこちらは名刺を出して、記名はこうで、領収書はこう、と用件を言うのだけれど、
その名刺も机から落っことしちゃうんです、・・・。
それにどうも、落としたことにも気づいていない。
紙箱はすぐに引っ張り出してきたけれど、どうもやり方を理解しきっていない手の遅さ。
それからの包装の段取りの悪さ、っていうか、こういう作業平面について
この店では、こういうとき、どこを使うのか決まっていない様子。
なので、包装手順も知らないようで、おいおい、という感じです。
極めつけはのし紙への筆書き。
たぶん、書いたことがないようなんですね。(冷や汗)
筆ももちろん筆ペン。まぁそれはいいですけど、
それが筆先が、あまりにも使っていないからか、インクが出てこないらしく、
悪戦苦闘している。傍目にも、だんだんイラついてきているのが伝わってくる。
どうもご主人、こういうのやったことがないようですね。
で、家人を呼びにか、バックヤードに消えてしまいました(!)。
それもどうも不首尾のようで、渋々また出てこられました。
「そこにあるマジックでいいよ」とわたし、たまらず声を掛けました。
「そうですか」とほっとした様子ですが、
今度はその段取りも悪く、またうまくいかない様子なんですね。
「いいよ、わたしが書くから、貸してください」とマジックを受け取って書きました。
で、どうやら、出来上がりまして、受け取れましたが、
こんどは領収書の宛先記入の仕方もまた再度、説明させられました。
考えてみれば、中熨斗にするか、外熨斗にするか、なんてことも聞かれもしなかった(笑)。
という顛末だったのです。
約束の時間まで、迫ってきたので、店を出て、一路車を走らせたのですが
こういう日本的な贈答の習慣って
これからどうなっていくのか、不透明だなぁと思い知らされました。
コンビニみたいなのが、小売りの主流になっていけば、
アルバイト店員にこういう文化を仕込んでいくのは無理があるし、
古くからの酒屋などでは、そもそも客が来ないので、
そういう文化を維持していく基盤がなくなってきている。
今の時代、こういう狭間にいるんだなぁと思う次第です。いかがお考えでしょうか?

2 Responses to “竣工式参列”

  1. まるでその場にいるような描写をして頂き、思わず声に出して笑ってしまいました。
    他人の苦境がおもしろいというのは、古今東西不変。
    こち編さん、才能あるんでないの。

  2. タケ2(ツー)さん、コメントありがとうございます。
    面白いとは思うのですが、申し訳ない部分があって、あんまり、本当はこういう書き方はしたくはないんですけどね。一種のユーモアとして、注文があまりない小売店、というような一節でした。

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