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札幌の都市計画と発展のすがた

きのうは青森県からの見学のみなさんが20人超で
その多さにちょっとびっくり。
で、午前中は当社の社屋をご覧いただいたあと、
札幌市内西部地域、具体的には宮の森、藻岩山麓一帯を
バス見学にご案内いたしました。
札幌は、開拓以降約140年。
急速に発展してきた都市なので、
熟成の時間がまだ、その時期に到達していない気がします。
しかし、いくつかの特徴は現れては来ている。
それも近代、現代という歴史時間の中で経過してきている
日本の都市の中でも、特異な発展形態の街だと思います。
まず、原札幌ともいうべき条丁区画の街割りに見られる計画都市性。
これは、通常の「通り」の幅が30m以上あって、
中小路ですら8mが基本になっているという
ゆったりとした都市計画だという点。
これは、明治期の「お雇い外国人」による計画立案が大きかったのでしょうが、
基本は、京都の都市計画などに見られる考えだったろうと思います。
そして、そこからの発展形では
市の西側に設置された「北海道神宮」の社域が高級住宅街を形成した。
今、札幌の高級住宅街は「宮の森」というのですが、
ネーミングからして、そのようなことを意識している。
また、北半球では偏西風が吹くので、
その風上に当たる西側地区が高級住宅地になりやすい、また、
同時にそれはやや高台である、というようなほぼ世界標準に近いような
そういった発展形態を取ってきている。
東京は別にして、
わたしが良く通っている東北の各都市では
このような発展形式はあまり見られない。
大きく言えば仙台は、支配者であった城が西部高台にあるので
そういう概念に近いとも言えるけれど、明確ではない。
で、札幌ではそのような「高級住宅街」が明確に発展してきている。
そしてそこに建てられている住宅の有り様は、
それこそ、デザインについては千差万別、
実にさまざまなデザイン傾向が伺えるけれど、
しかし、明確なのは瓦屋根のような和のデザインを外観で見せるのは
きわめて少ない、ということ。
そういった無秩序な住宅群が存在しているのだけれど、
しかし、自然林の後背が明確に存在し、その余韻がまだまだ街並みに
樹木を遺させているので、デザインはバラバラなのだけれど、
自然はうまくそれらに一種の調和を計らせている。
そんな印象がありますね。
で、バラバラなデザインの中に、個性的な建築家関与の住宅が点在し、
その数も、他の都市とはまったく違って多い。
まぁ、おおざっぱに言って、こんな都市性を札幌は持っている。
こういうあり方が、
都市としての札幌のプライドに育っていくのか、
ずっと、ウォッチし続けていくことになりそうであります。

さてさて、原稿まとめ、比較的順調ペースであります。
やはり、通常の日のように外部からの接触がないとたいへんはかどる。
面白いもので、執筆がベースの暮らし方にあってくるのが
自宅での生活だというのが、よくわかります。
こういうのもまぁ、楽しい暮らし方だと思います。がんばるぞ、と。

<写真は富良野プリンスの一角のログタウンを絵画風にアレンジ>

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