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【神社建築 唐破風と注連縄のぎょろ目デザイン】


わたしは札幌にいるときにはなるべく北海道神宮に朝、参詣します。
イマドキですと「コロナ退散」が願に加わるのですが、
ふつうは一般的な願い、家内安全・商売繁盛と大盛りのお願いで
たぶん全国の神さまから、欲の深いヤツとブラック認定されているかも(笑)。
北海道内ではあんまり神社建築は多くはないということもあって、
日本全国あちこち出没して近隣の神社を参詣する。
上の写真は東京町田、というかJR駅町田は神奈川県相模原市近接で
この「鹿島神社」はそこに鎮座している神さま。境目の神さま。
名前が鹿島神宮と同様で、分霊されている「末社」と思われます。
こちらは建築の創建は江戸期とされているようです。
日本の建築は「屋根」の組み合わせが基本のデザイン要素。
入母屋・平入りでそこに唐破風が顔を覗かせている。
で、その下に注連縄が「好一対」という感じで「ぎょろ目」を構成している。
私のこのブログではちょうど1年ちょっと前に山形市中心部の日枝神社で
その下の写真のような外観デザインと遭遇したことを書いた。
どうも建築デザインとしての「狙い」は同じようだと知れる。
きっと社寺建築の基本パターンとして定式化されているのでしょう。

唐破風という名前から、てっきり中国からの伝来の工法かと思いきや
これはまったくのジャパンデザインとされます。
一方の注連縄という文化もこれは真正のジャパンオリジナル。なので
この視覚的デザイン取り合わせは、世界にまったく存在しない
建築デザインとしてまさに日本独特と言えるのでしょう。
わたしは寡聞にして他の国でこういう建築デザインを聞いたことはありません。
注連縄は建築的装置とは言い切れないけれど、
基盤的な農耕文化を表象する結界的精神装置といえる。
さらに日本の伝統的家屋では屋根材として萱が使われてきたことを
考え合わせてみると、同じ繊維系素材である注連縄が
かくも存在感強くあり得るのは、民族的自己主張アイコンとも思える。
逆にデザインで見れば、注連縄の形を逆転させたのが唐破風とも言える。
普通常識からすれば、重たい屋根瓦をわざわざ重力に逆らって
上向き傾向に形状化させることは考えにくいのではないか。
注連縄との対称デザインの思惑が先に存在して唐破風が産まれたのかも。
こういった取り合わせが神社建築で合一していることはオモシロい。
日本が自らを「和の国」と呼んできたことも類推が働く。

きのう、ある建築デザインの方と話し合っていて、
明治以来の住宅の「欧風化」基調が、現代のいったいどの時点で
「国風化」が開始していくのか、という論議になって
どうもわたし的には、この神社建築群のことが無性に思い出された次第。

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