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【やっぱり北海道はサケだ! 定塩だ!】

さて、週に一度の「社長食堂」きのうも無事開店。
来週は東北関東への出張で帰ってくるのはムリなので、
ここで骨休めできる(笑)。ですが、手抜きはしません。
2週目に入った「焼き魚定食」メニューシリーズ。
今週はついに満を持して、北海道の食の王道、サケであります。
サケは先住民のアイヌからも「カムイ・チェップ(神の魚)」とされて
きわめて特異なソウルフードとされてきた。
別の名でシペ(本当の食べ物)と呼び、大きくその恵みに依存していたとされる。
石狩市では縄文時代の遺跡からサケ捕獲と推定される仕掛けが発見された。
一説では縄文時代が北海道と北東北で栄えた背景として
このサケ漁の安定した豊漁ぶりがあったのではとされている。
母川回帰性は生命のドラマを生み自然環境保護の目に見える指標でもある。
この列島に生きてきた人間のDNAにも深く関わっている気がする。
江戸幕府(松前藩)によるアイヌ統治時代には、コンブとサケは
アイヌ民族から和人への重要交易品目とされてきた。
和人との交易の重要な資源として移出されるようになり、
その運搬のために保存加工技術が高められていった。
アイヌの人たちにこうした「塩引き」の技術はなかったとされる。
わが家の家系伝承では高田屋嘉兵衛が活躍した江戸末期、
ご先祖様たちは広島県尾道周辺で製塩を営んでいたということ。
今で言う総合商社的な高田屋嘉兵衛の「北前交易」の活発化で
大量に移出されるサケの保存性を高めるため、製塩に適した瀬戸内海地域で
さかんに塩を生産したころに相当しているのではと推定しています。
もっとも家系の伝承では塩景気はその後、供給過多で価格暴落した(笑)。
そういった食品流通構造が広範に展開するほど、
サケという食品は,日本史に深く関わっていると思う。

おっと、かなり脇道にそれた(笑)。
このサケの「焼き魚」定食であります。
きのうはなんと北海道出身者がひとりもいない編集スタッフの輪番。
ということで、このサケを選んだ次第。
で、一昨日、魚がウリの食品スーパーで物色していたら
「定塩」というPOP付きの魚体の見事なヤツが並んでいた。
じっと品定めしていたら、まわりの初老の夫婦連れの方から
「これ、うまいよね。絶対オススメだよ」
といういかにも、説得力抜群のひと言であります。
表情を確認させていただいたら、これはまことに真実性が高かった。
迷わず速攻購入でありました。
定塩というのは鮭に塩分を加える際に低濃度塩水に48~96時間ゆっくりと
漬け込み、表面だけでなく身の中まで一定の塩分を加えていくのだと。
食してみて、そうかこういうのを言うんだとわかった。
まぁこういうサケの味わいは何度も食べていたけど、
これを「定塩」と名付けることは初めて知った次第。
アブラも載って箸の通りも素晴らしかった。
北海道人として、このサケの味わいはまことにソウルフルであります。

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