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北の日本文化か、北欧北米型か

写真は、新住協の札幌セミナーから。
住宅雑誌のような仕事を、それも北海道から発信する、というスタンスでやってきて
さらに増刊という形ですが、関東版も発刊してみて
北海道の家づくりは、どう行った方向を目指せばいいのか、
っていうか、どういう方向がユーザーの選択になっていくのか、
いろいろ興味が深まってきています。
端的には、表題のような二者択一と言うことになります。
わたしたちは日本人であり、
そういったDNAで環境条件に対して選択していくのでしょうが、
気候条件的には、北海道や東北は
北米や欧州地域にむしろ親和性があって、
住宅を構成する材料も、それ以南の日本地域で標準的な
建材よりも、輸入品の考え方の方が似合っている。
そして欧米、という言葉があるように
「世界標準」という考え方はそっちの方が優勢に思える。
ところが、日本の中央的主流の考え方は
抜けがたく蒸暑気候を基本的な考えにしている。
かつては無意識と思えたけれど、最近は意識的なのだとも気付き始めた・・。
これは論争というレベルの問題ではなく、
戦略的な立場の違いというような問題になってくる。

北海道は歴史的に、日本建築文化が導入されると言うよりは
むしろ、北米欧州の「寒冷地文化」が導入されてきた。
北海道に設立された国立大学が「農学校」としてスタートし、
米作ではない、寒冷気候に適した畑作を中心に据えた農業理論が
主要な産業構造として考えられてきたことが
こういった二者択一の起点で存在しているのでしょう。
単純に、東京以南の地域が年平均気温16度ほどで揃っているのに対して
仙台は12度程度、札幌は8度程度、という違い。
こういった基本的な違いが、
住宅デザイン文化でも、まったく違いとして出てくる。
最近北海道の建築家が、欧米で相次いで賞を受賞している、
っていうのは、こういうことが背景としてあると思う。
北海道の方が、よりインターナショナルなのだ、ということ。
まぁ、世界規模でもこういう相克が今後、
より鮮明になってくるものかも知れない。
文明圏地域はこれまで、やや寒冷な気候地域で起こってきたけれど、
これからは、中国南部・インド・ブラジル・インドネシアといった
むしろ、蒸暑気候地域に経済的な基本が向かっていくのか、という問題。

しかし一方で、
韓国や中国では、欧米的な建材の基準が受け入れられつつあり、
世界的に見て、日本の建材基準はガラパゴス化してもいる。
現在の状況、国土交通省や建築工学の学会の中心的部分の志向性は
こういった世界標準には背を向ける姿勢のように思えます。
結局、決定的なのは中国の動向がどっちに向かうのか、
っていうことなのでしょうか。
住宅や建築がどういう方向に行くのか、
非常に難しい局面になっていると感じています。

北のくらしデザインセンター
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