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【低炭素健康社会〜日本学術会議シンポ】


2日間の東京出張の最後に、表題のシンポジウムに参加しました。
1日目朝1番で東京に到着してから、2日目18時過ぎに羽田から帰る。
都合36時間くらいの滞在時間中にあちこち行脚であります。

日本学術会議、という存在は一般的には馴染みはない。
1枚目の図表で簡潔にこの組織の性格を表現してありました。
いわく「行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として
内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う“特別の機関”。」
こういった特別の機関というのが、国の組織においてはよくある。
余談ですが「建築研究所」というのもこういった経緯で発生した組織。
戦前は完全に独立した機関だったのが、戦後、建設省の下部組織に変わったとされる。
国家組織というのは、表のものと水面下のものとが存在する。
まるで、国会で審議される国家予算とウラの「特別会計予算」との関係のよう。

それぞれが完全に独立しているわけではないが、融通無碍に存在する。
この日本学術会議は事実上、政府のシンクタンクとして学と政をブリッジする。
また、天皇への「ご進講」もこの会員がされるとも聞いたことがある。
わたしどもは東北フォーラムで吉野博先生の教えを受けています。
そういったことからこの機関の公開フォーラムのご案内をいただいた次第。
一昨年、はじめて参加させていただいて、「スマートシュリンク」という
人口減少社会での基本的「政策」志向性の提言を聞く機会もありました。今回は、
「低炭素・健康な生活と社会の実現への道筋」というテーマ。
これに対して、3つのセッションにおいて分析されていました。
1 新しいライフスタイルと行動変容の動機付け
2 成熟社会のための低炭素・健康都市のデザイン
3 住宅・建築の低炭素対策と創エネの加速化
という構成要素であります。
で、それぞれについての検討内容、提言についての議論経過などが
こういったかたちで公開されている。
もちろんこのまま、政策として実現されていくものではないにしろ、
今後の政策方針の骨格を形成することは間違いがない。

で、その「骨格的論議」の形成過程を聞くことが出来るワケですね。
内容はまことに重層的・構造的であって、
国家プロジェクトとして範囲が非常に広く総合的。
低炭素化という目標は基本的な人類的課題であり、それへの同意の上で
現実的にどのような課題があり、解決するためになにを論議すべきかを
抽出する学際的な取り組みが見えてきます。
なお、会場からの質問・意見という場面もあったので、
北海道東北の住宅雑誌として、質問も投げかけさせていただきました。
たいへん幅広く興味深いテーマばかりでしたので、
住宅分野でどう考えていくべきか、時間を掛けてしっかり分析していきたい。
このブログで、折に触れて考えていくテーマにしたいと思います。

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