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【断熱・お茶の水博士 西方里見氏札幌襲来】


秋田で生まれて北海道・室蘭工大で建築を学んだ西方里見さん、
高断熱高気密住宅の伝道師然とした「お茶の水博士」として全国で活躍中。
きのうは新住協札幌支部の新年最初の勉強会に
最新作の秋田・能代での自邸の解説講演、
さらに氏の設計になる棟晶(株)さんのモデル住宅の解説のために来札。
氏は東北の新住協の中心的なメンバーであり、
同団体の設計事務所会員がまったくと言っていいほどいない北海道とは違って
本州以南地区での家づくりシーンで、独自の個性を全開させています。
どうして北海道には新住協の設計事務所会員がいないのか、
いつも思うのですが、その双方と深く関係してきた地域住宅メディアとしては、
やや解せない、不思議な風景と感じています。
北海道の設計事務所、建築家が高断熱高気密にそっぽを向いているのではなく、
問題意識は共有し、いろいろに協働はしながらも、
それぞれのスタンスを維持してきたということなのでしょうか。
新住協の技術開発についてはいち早く地域で共有される関係はしっかりあるし
オープンな工法開発団体として北海道の建築家もリスペクトは大きく持っている。
おたがいにあるリスペクトは持ちながらも、独自性を保ってきた、
っていうようなことなのかなと、勝手に思っている次第。
一方、本州地域になると西方さんをはじめ、
設計事務所のみなさんが積極的に新住協会員になっています。

きのうは、氏の自邸のポイントに沿って
氏らしい実証的な姿勢全開で、住宅の設計プロセスに即しての解題。
基礎から屋根、窓、部材選択の基準に至るまで、ていねいに解説いただきました。
そのディテールの選択基準などは、北海道と距離感はない。
しかし部材の既成流通品がなければ自分で作るという姿勢は
設計事務所らしさが表れているなと感じていました。
この住宅のディテールについては、明日以降、触れてみたいと思いますが、
終了後の懇親会では、氏と大学同期の建築家・山之内裕一さんも囲んで
まさに談論風発のたのしい一時を過ごさせていただいていました。
やはり秋田は本州と言うよりも、北海道の飛び地的な感覚があって、
言ってみると北海道のちょっと離れた一地域というような感覚になる。
そこでの工法の取捨選択基準はほぼ同じものになっていく。
また、本州というか「東京的なるもの」との間での家づくりにおける
北海道的なるもの総体が抱えざるをえない「対立的構図」については、
戦略的にそういったものを利用・活用していくという了解で盛り上がった(笑)。
しかし、講演中では写真表現を中心とするわたしども住宅メディアへの
チクリとする部分も語られていて、思わずニヤリとさせられてもいました。
で、氏の設計監修された棟晶(株)さんのモデルハウスは
実は工事が大幅に遅れていて、まだ構造造作の段階で断熱工事もまだこれから。
こちらの方も、地元なのでときどき進行にあわせて
全国のみなさんにその様子をお知らせしていきたいと考えています。

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