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地域が育んだ「北方住宅文化」

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きのうは八戸の工務店さんたちが北海道研修の一環で
当社事務所に来られ、建築家・山本亜耕さんから北海道住宅についての
講演を聴かれて、その後、懇談会をされていきました。
まぁ、会場をお貸ししたというワケであります。
日頃、北海道と東北、本州地区との架け橋のような活動を通して
当社の事業活動もあるので、
そういった意味での交流のひとつであります。
良く感じるのですが、
北海道はこうやって研修に来られると懐広く受け入れます。
ふだんはそこに住んでいること自体が不幸であるかのように思われているのが
いっときそうでない気分が味わえるというメリットはあります。
自分たちの地域では、こういった家を暖かくする技術というものに
それを「自分だけのもの」にはしないという
そういった生活文化素地がある。
まぁ北海道内では、そのこと自体はあんまり「差別化」材料になりにくく、
また、地方政府としての北海道も
なるべく公共財としていきたいという意志を持ってこの技術に対して来たと思う。
そういうことが、他の地域との根本的な違いであり、
住宅文化と言えるレベルに到達しているのではないかと思う次第。
折しも、北海道ではこれまで「北方型住宅」として表現してきた
このような北方の高断熱高気密住宅について、
そのネーミングを更新したい、というか、
あらたなイメージを与えたいという動きがある。
わたしなどは、歴史好きもあって、
このような北海道の住宅について、日本民族が文化として持ってきた
たとえば寝殿造りとか、数寄屋造りとか、
そのような意味合いの住宅文化と比肩し、いや大きく超えるような
民族的資産として、世界文化遺産に登録してもいいのではないかと
飛躍して考えてもいる。
ドイツはたしかにパッシブハウス基準のようなシステムを宣言しているけれど
その基準の建物の数で言えば、実に取るに足らないレベルであり、
一方北海道では、Q値1.6の住宅が
新築住宅の過半数を超えるようなまでに広く普及している。
国の大した後押しもない中で、一地域・一地方政府が独自に
生み出してきた住宅文化として見るとき、
このことは民族としての誇りであり、プライドであると思う次第。
そんな地域プライドをぜひ他の地域のみなさんにも、
大いに体感していただきたい、
そんな思いで「おもてなし」させていただいておりました。

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