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日本は東アジアを好きになれない

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きのうの夕方7時のNHKニュースでは冒頭に
防衛計画予算関係のことが触れられていて
これでもかと軍事関係の戦車や装甲車、戦闘車両、軍艦などの映像が流されていた。
坊主とふたりでたまたま見ていたのだけれど、
「ちょっと父ちゃん、ヤバくね、これ」
「う〜ん、まぁしかし、中国の軍拡や反日挑発姿勢もあるしなぁ・・・」
「戦争とか始まったら、おれ、やだな」
「そりゃそうだ、なければいいけれど。まさか、全面衝突はないだろうけれど、
偶発的なかたち、限定的なかたちではあり得るかもなぁ・・・」
っていうような物騒な話題になっておりました。
わたしの生きてきた時代とは、大きく変わって行かざるを得ない
そういう時代を息子たちは経験せざるを得ないかもしれないなぁと、
やや暗澹たる思いをしておりました。
そういうことがないことを祈るしかないのですが、
中国の内政状況と、排外的、というより反日的なナショナリズム鼓舞をみていると
やはり大きな危険性を感じずにはいられない。
防空識別圏についての中国内部の状況分析がアメリカから出てきていますが
やはり共産党の独裁と、軍部の状況分析などを読んでいると
排外的な姿勢に出ることがきわめて簡単な内政的な責任転嫁になる
国家状況が見えてきます。
そういう状況はとても成熟した国家とは言えず、
国際政治のなかでの安定を望むようにはなっていない。
中国はその力が大きくなっていくにつれて
やはり当面は日本に対する敵対的行動をけっして放棄しないだろうと。
アメリカは、日本の防衛予算の使い道が自国経済にも有益なので
このような緊張は内心では歓迎している部分がありえる。
今回の防空識別圏問題では外交的には
中国は多くの国々、国際社会から指弾を受け、
日本は多くの外交的な成果を得たと言えるけれど、
中国はそうなったら手負い状況の中でより無謀さを発揮してくる可能性がある。
そしてけっして東シナ海・南シナ海での覇権を諦めはしないだろう。

しかし、明治維新以降、西欧文明に対してそれを受容して
国際感覚を磨いてきた日本にとって
東アジア世界というのはなんとも悩ましい関係性のなかにある。
歴代の中国王朝に対する態度において、
日本は非常に忌避的な外交をしてきて、
ずっと「政経分離」でやってきたのが一般的なのではないか。
福沢諭吉の「脱亜入欧論」には、いやでいやでたまらないアジア世界
というような響きが強い。
今日に至っても、やはり日本と東アジアというのは、
なかなかに難しい国際関係だと言わざるを得ない。
韓国との「歴史協議」を行った先生たちが
先方の、強硬な植民地支配からの反日姿勢に嫌気が差して、
「じゃぁ、どうすればいいの?」と問うたら、
朝鮮を支配した35年間にわたって、反対に朝鮮が日本を支配した後、
それから対日友好を「考えてもいい」という反応だったそうです。
こういった状況下で、安倍政権はロシアと国交協議し
ASEANとの対話を積極的に進め、南アジア諸国ともチャネルを広げている。
むしろ、反中韓包囲網的な動きをしていて、
いまのところ、国民レベルでもそれを妥当だと考えている。
東アジアで、普通の国家関係はいつになったら成立するのか
本当に前途の遠さに、へきえきさせられますね。
しかしそうこうするうちに、日本自身が自制心を失わないようにしなければならない。
本当は、それがいちばん難しいのだと思います。

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